介護認定には時間がかかるのでしょうか?
Q. 介護認定には時間がかかるのでしょうか?
A.介護認定は原則として30日以内に結果が通知されます。状況によっては、それ以上になる場合もありますが、自治体によっては「迅速認定」も始まっています。
1か月!? ずいぶん時間がかかるのですね。
そうなんです。その間に病状が進んでしまうと、実際の状況と合わないですよね。
緊急を要する場合は、2週間以内に仮の認定が下りる「迅速認定」への取り組みも進められていて、利用する人も増えています。できるだけ自宅で過ごしたいと希望するなら、早めに申請手続きを進めることが大切です。がんの場合は、治療方法の選択肢が少なくなってきた段階が一応の目安になります。
申請書類を提出してから調査員の訪問を受けるまでの間、何か家族でしておくことはありますか?
申請から調査・認定を受けるまでの間は、認定調査がうまく進められるようご家族の間で話し合っておくとよいと思います。
調査員の訪問時に、よく見られるのは患者さんが「いつもより元気にふるまってしまう」「いつもはできないことまで頑張ってやってしまう」ということです。特に、がん患者さんの場合、食事や歩行が普通にできることが多いため、要介護度が低くなる傾向があります。
太郎さん、頑張り屋さんだから気丈にふるまってしまいそう。
認定調査はアンケート形式で、患者さん本人やご家族が口頭で質問に答えます。内容は「身体・動作」「生活機能」「認知機能」「精神・行動障害」「社会生活の適応」など約70項目。所要時間は30分~1時間くらいです。
普段通りの状況を見てもらいますが、大切なのは見た目では分からない「困っていること」をご家族がしっかり伝えることです。患者さん本人に聞かせたくないことがある場合は、困っていることを書面に箇条書きするなどして提出するのもよい方法です。
早急に利用したい場合には「暫定プラン」を
要介護認定を待てない場合は、いったん全額を自己負担することで、介護サービスを利用できます。認定後に手続きをすれば、認定を待っていた期間の給付金額を後から受け取ることが可能です。
また、要介護度を推定して「暫定ケアプラン(5.「どんな介護サービスが使えますか?」参照)」を作成すると、推定の介護度の給付をすぐに受けられます。利用者が直接申請することもできますが、申請書類のほか、ケアプラン作成が必要ですので、ケアマネジャーなど専門職に相談して進めるのがよいでしょう。ただし、認定の結果“推定していた”介護度より低くなった場合、暫定期間中に受け取った給付分との差額は自己負担として返還することになります。要介護度の過大な推定による見積もりには注意しましょう。
記載されている内容およびサイトの情報は2023年11月現在のものです。