介護保険と障害年金は同時に受給できますか?
Q. 介護保険と障害年金は同時に受給できますか?
A.国民年金・厚生年金に加入されている方で、一定の条件に該当すれば、障害年金が受給できます。
こちらに関しては、私ワンダ社会保険労務士が回答させていただきます。
障害年金は、病気やケガにより、生活や仕事などが制限される一定の障害状態になった場合に、現役世代の方も含めて受けることができる公的年金です。
がんでも利用できるのですか?
そうですね。その質問に答える前に、障害年金がどんな場合に出るのかを見ておきましょう。
障害年金には、障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)があります。そして、障害認定日において障害等級に該当する障害が認められれば、その病気やケガの初診日に加入していた制度から年金が出ます。ただし、障害年金を受け取るには、年金の納付状況などの条件(保険料の納付要件)があります。
初診日? 障害認定日? 保険料の納付要件??(※1)。
障害年金での初診日というのは、その病気に関して初めて病院にかかった日のことを言います。例えば、咳が続くので、近くの内科の診療所に行き「風邪」の診断を受けたけど、最終的には、別の大学病院で「肺がん」と診断された場合、肺がんの初診日は、内科の診療所にかかった日となります。そして、その「初診日」に加入していた制度から障害年金が出ます。
ということは、初診日が厚生年金に加入していて、障害等級が3級のときは、障害厚生年金だけがもらえるということですね。
そういうことです。ご理解いただけたようなので、話をがんの場合に戻しましょう。
がんによる障害認定は、「悪性新生物による障害の認定基準・要領」で決められています。人工肛門や人工膀胱などの増設や、麻痺などの後遺症の他に、(抗がん剤や放射線などの)治療の副作用による倦怠感、嘔吐、下痢、貧血、体重減少などによる全身衰弱で、日常生活や働くことに障害や支障が出ている場合にも、対象になる可能性があります。
治療の副作用による倦怠感なども対象になる場合があるのですね!!
障害年金は、仕事を続けていても受給できます。治療やその副作用によって以前のように働くことができない場合に、障害年金を受け取ることで収入減をカバーすることが可能です。手続きや問い合わせは、全国どこの年金事務所でも受け付けてくれます。(障害基礎年金のみの請求の場合は市区町村の相談窓口か年金事務所)。ただし、障害年金の申請には専門的な知識とスキルが必要なので、病院の相談支援センターや、社会保険労務士(※2)に相談するのも方法です。
なんだかちょっと気分が楽になりました。
※1 障害認定日とは・・・障害年金に該当している状態かどうかを判断する日のこと。原則は、「初診日から1年6か月を経過した日」となりますが、例外(1年6か月前に症状が固定した場合はその時点、1年6か月経過した時点で障害等級に該当しなかったがその後悪化して該当する場合(事後重症)など)もあります。
保険料の納付要件とは・・・初診日の前日の時点で、次のいずれかに該当することが必要。①初診日の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と免除期間で3分の2以上保険料を納めていること。②原則として、初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。
※2 全国社会保険労務士会連合会「年金相談業務」
https://www.shakaihokenroumushi.jp/consult/tabid/211/Default.aspx
記載されている内容およびサイトの情報は2023年11月現在のものです。