高額療養費の上手な活用法は?
Q. 高額療養費の上手な活用法は?
A.世帯合算や多数回該当という制度は、請求手続きが必要な場合がありますので、請求もれのないようにしましょう。請求の時効は2年です。
今年は妻が入院したり、退院後も治療が続いたりと何かと大変で…。治療費は、妻もかなり心配していたのですが、「世帯合算」とか「多数回該当」とか、いろいろと負担を軽減するしくみがあることを知って少し安心しました。ただ、請求しないともらえないと聞いたので(5.「毎月の治療費の負担を軽くするしくみはあるの?」参照)、請求について教えてください。
保険証を使って診療を受けると、領収証が発行されます。現在は医療費の明細を明示するのが原則になっていますので、その明細を確認する習慣をつけましょう。それから、次に、加入されている公的医療保険の給付内容や手続き方法を確認しましょう。
え、どういうことですか?
加入している公的医療保険によっては、全て自動払いを行っていて、請求手続きが不要のところもあります。また、高額療養費の制度以外に独自のプラスアルファの制度を持っている場合があります。これを「付加給付」といいます。
では、手続きが必要かどうか、を確認しないといけないのですね。自動払いのところだと楽でいいですね。
本当にそうですね。手続きが不要であれば問題はないのですが、問題は、請求しないともらえない公的医療保険の場合です。この場合は、自分で請求手続きをしなければいけません。
入院や高額な治療などを行った場合は、世帯合算や多数回該当に当てはまるかどうかは次の手順で確認しましょう。
具体的な手順をまとめました。
ステップ1~3まで、手順をふめば大丈夫です。
便利な制度なので、ぜひ活用しましょう。
- ステップ1
- 自分の加入している公的医療保険の内容(付加給付の有無、手続き必要の有無)を確認する。
- ステップ2
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高額療養費の手続きが必要な公的医療保険に加入の場合
- 領収証をもらったら必ず保管しておく
- 「自己負担限度額の計算のルール」(4.「「自己負担限度額」について詳しく知りたい!」参照)に沿って、領収証を整理する。(例)月ごと、病院ごと、受療した人ごと
- 世帯合算(5.「毎月の治療費の負担を軽くするしくみはあるの?」世帯合算)に該当するかどうか判断する。領収証の明細を確認し、保険対象の自己負担額を確認する。
- 多数回該当(5.「毎月の治療費の負担を軽くするしくみはあるの?」多数回該当)に該当するか判断する。
- ステップ3
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- 世帯合算・多数回該当になることが分かったら、加入している公的医療保険に問い合わせ、書類を用意する。
- 請求手続きをする。
分かりました。まずは、領収書をきちんと取っておくことですね。加入している公的医療保険にも一度聞いてみます。
はい、ぜひそうしてください。
治療にかかった領収書は、高額療養費の請求手続きなどが不要な場合でも、確定申告で医療費控除(9「医療費控除と高額療養費の関係を教えて!」参照)をする場合には必要になります。
領収書は必ずとっておくようにしましょう。
記載されている内容およびサイトの情報は2023年11月現在のものです。