退職後も傷病手当金はもらえるの?

Q. 退職後も傷病手当金はもらえるの?

ワンダ社労士A.条件を満たしていれば引き続き傷病手当金が受給できます。

小木まさお

ワンダ先生、実はワタシの部下が今、病気で休んでいるのですが、あまり状態が思わしくなく、退職することになってしまいました。今、傷病手当金をもらっているようですが、退職後も傷病手当金はもらえるのでしょうか。

ワンダ
社労士

そうですか…。それは大変ですね。傷病手当金は、次の条件を満たしている場合、退職後も出ます。

支給条件

  1. 資格喪失日の前日(退職日等)までに被保険者期間が継続して1年以上あること
  2. 資格喪失日の前日(退職日等)に傷病手当金を受けているか、又は受けられること
  3. 資格喪失日の前日(退職日等)に現に休んでいること
小木まさお

????何だか難しいですね。

ワンダ
社労士

図で説明しましょう!

1.入社から健康保険加入期間が1年以上、2.退職日より前に傷病手当金の受給が開始、3.退職日以降も仕事ができない期間 傷病手当金は受給開始から1年6か月
ワンダ
社労士
  1. 加入から退職日までに継続して1年以上健康保険に加入している場合に、
  2. 退職日前から傷病手当金を受けていて、
  3. 退職日以降も引き続き仕事ができないとき、

 に傷病手当金を受け始めたところから通算して1年6か月まで給付を受けることができます。
 このとき、退職日時点に「傷病のため仕事ができない」ことが必要です。この3つの条件を満たしたときに、退職してからも傷病手当金をもらえるのです。

小木まさお

そうなのですね~。それなら、しばらくは生活の心配をせず、安心して療養生活が送れますよね。早速、部下に教えてやります。

ワンダ社労士のわんポイントアドバイス

ワンダ社労士のわんポイントアドバイス

傷病手当金と失業等給付(いわゆる「失業手当」)の関係

雇用保険の制度には、失業等給付の基本手当というものがあります。いわゆる「失業手当」のことです。この手当は、働ける状態の求職者が、仕事を探している間の生活保障として給付されるものなので、傷病手当金受給中(仕事ができないので受給している)は、受けることができません。傷病により退職後すぐに働くことができない場合は、ハローワークで受給期間延長の申請をしておきましょう。この手続きをしておけば、仕事ができるようになって就職活動をするときに、基本手当を受給できます。受給期間延長手続きにより受給期間を最大4年間まで延長することができます。

雇用保険の延長申請手続き
傷病手当金受給開始→退職日(雇用保険の求職の申込みを行い、その後延長申請を行う)→給付終了→就職活動開始(労務可能な状態になる)→(雇用保険)基本手当受給

記載されている内容およびサイトの情報は2023年11月現在のものです。

監修:天野初音(特定社会保険労務士 キャリアコンサルタント)
近藤明美(特定社会保険労務士)

企画制作:キャンサー・ソリューションズ株式会社
2023年11月改訂