宿泊施設を楽しむために<食事編>
食べることを自分流に楽しみましょう。
食べられないもの・食べづらいものは伝えよう
旅先でのお食事を楽しみにしている人は多いことでしょう。でも「旅館の食事の量が多すぎて食べきれなかった」「手術の影響で、どうしても食べられないメニューがあり、大変な思いをしながら無理に食べた」など、せっかくの食事が苦痛になってしまうこともあります。
アレルギーや食事制限がある、お薬や治療の関係で食べられないもの・食べづらいものがある、噛みづらい(前歯で噛みきるのが困難・奥歯を大きく開いて噛むのが困難など)、飲みこみづらい、口内炎などで口の中に痛みがあるなど、食材や調理方法などに配慮が必要な人は、あらかじめお店側に伝えておきましょう。それらは、皆さんに気持ちよく食事をしていただきたいと願っているお店側にとっても必要な情報です。
「肉が食べづらかったとき、ステーキを海鮮中心のお料理に変えていただけた。同行者に比べて私の料理が一番豪華で羨ましがられ、得した気分になった」と、伝えることで臨機応変に対応してもらえることもあります。
旅先での思い出メニュー
- 積丹半島で食べたウニ丼。甘くてとろ~り。ウニの概念が変わりました!
- 福井マラソン後に仲間と食べた「福井の越前そば」が絶品!
- がん友さんとガンジス河で日の出を見た後に飲んだチャイ。
- タイのビーチリゾート。売り子さんが炭火で焼きながら売りにくる卵 (殻ごと)がほくほくで美味しい!
「マイ箸」で痛みを軽くしよう
口内炎がひどいとき、割り箸がものすごく痛かったので普通の箸を求めて観光地をさまよった、という人もいます。宿泊地であればお宿にお願いすることもできますが、外で食べる場合もあるので「マイ箸」を持ち歩くのもひとつの方法かもしれません。
手にしびれがあってお箸がうまく握れないときには、無理をしないでお店の人に伝えてみましょう。代わりにフォークやスプーンを利用することで、「食べづらい」という心配ごとから解消されて食事を楽しめるようになるかもしれません。
最近では口内炎や食事で悩むがん患者さんに対応するスプーンやフォークなども開発されているので、そういったグッズも上手に活用してマイペースで楽しみましょう。
お酒はどうする?
環境が変わって気分もおおらかになり、ついついお酒がすすんでしまう…ということもあると思いますが、くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。飲酒は問題ないか、事前に医師に相談する人もいます。
「がん患者なのにアルコールを飲んでる!!」と、衝撃を受ける同行者もいるようです。「病気なんだから体を大切にして」という周りからの心遣いと、「そんな目を気にせず楽しみたい」という自分の気持ちと、どう付き合っていくかが課題だった、という人もいるようですよ。
<my episode 私の場合>海外ではドキドキ
食事の際、薬との飲み合わせにはいつも気をつけています。私の場合、グレープフルーツがよくなかったので旅先でも食べないようにしていました。飲み合わせの悪い食べものにはハーブもあったのですが、日本ではあまり使われていないものも、国によっては使われているため海外では特にビクビク・ドキドキ。料理を見ても入っているかわからないし、その都度聞くわけにもいかず……何ごともなくてよかったです。
(慢性骨髄性白血病経験者 男性・30代)