宿泊施設を楽しむために<準備編>
宿泊をより楽しむために配慮してほしいことを事前に伝えてみましょう。

目的に合わせた宿で自分流に

「温泉旅館でほっこりしたい」「骨休めをしたいのでリゾートホテルがいい」など、ゆったりした気分を味わうための宿泊施設選びも、旅の醍醐味のひとつです。「手術痕を入浴時にできるだけ見られなくなかったため、まだ痕が目立っていた時期はビジネスホテル等を選んだ」「体調を崩したときのために、医療機関が近くにあるホテルを選んだ」「レンタカーを借りないときには移動が便利な駅近のホテルにした」「しっかり体を休ませたいから寝具にこだわったお宿がいい」など、それぞれの場面に応じて宿泊先を選ぶとよいでしょう。

宿泊先は立地も大事ですが、体調によっては体に負担の少ないお宿も選択肢に入れてみましょう。最近は、スロープが設置されていたり、バリアフリールームを備えた宿泊施設も増えてきています。段差がなく、車イスのまま入れる広さのあるトイレや手すりのついたお風呂やシャワーチェアーがあるお部屋なら、介護が必要な親や小さい子どもがいるご家族も世代を超えて一緒に安心して滞在できますね。

その他、お部屋のトイレだけではなくロビーなどの共有トイレの場所を確認しておくことで、同行者に気兼ねなくゆっくりトイレに行けたという声もありました。

おしえて!持っていってよかったお役立ちグッズ

  • 空気でふくらむ枕(手術の影響で、普通の枕が使えなかったため)。
  • 部屋でリラックスするためのパジャマ(部屋着)、アロマグッズ。
  • お気に入りのバスフォームや入浴剤でバスタイムが至福のひとときに。
  • 夜トイレに行くときのペンライト。

遠慮なく連絡してみましょう

旅行のときは、どうしても荷物が多くなってしまいます。重たいものが持てないのでキャリーバッグを愛用している、両手がふさがるのが嫌なのでリュックサックが便利など好みは人それぞれですが、荷物が重くて大変なときには(海外旅行では難しいですが)宿泊先へ送ってしまう、というのもひとつの方法です。フロントで預かってもらえるかあらかじめ確認しておきましょう。

禁煙ルームを希望していても喫煙ルームしか空いていないときには、消臭対応や空気洗浄機の貸出などが可能かどうか確認してみましょう。

治療の合い間に南の離島を訪れた人の場合は、食事やお風呂の情報と合わせて島内の医療機関も確認されたそうです。近くに診療所があり、ホテルの営業時間内なら送迎も可能ということで、より安心できたとのこと。宿泊先によっては希望通りにならないこともあるので、できることとできないことを納得して選ぶことは重要ですが、利用できるサービスや事前に欲しい情報があれば遠慮なく連絡してみましょう。

<私たちも応援してます>さまざまな「おもてなし」でお迎えいたします!

旅館やホテルでは、病気や手術などによってご旅行に不安を感じているお客様に安心して心ゆくまで滞在をお楽しみいただけるよう、お一人おひとりの要望に合わせたサービスを可能な範囲で提供させていただいております。要望や不安はお気軽に相談下されば、より快適な滞在につながるようにおもてなしさせていただきます。
私どもの施設でも、身体面に不安を抱えている方でも快適に過ごせるように、貸切り風呂の無料提供、食事内容の要望、全館バリアフリー、介助入浴の手配や車イスの貸出など、スタッフ共々さまざまな取り組みをしております。ご不安は宿に遠慮なくお知らせいただいて、楽しい思い出を作ってください。その一助となれれば私たちも嬉しいです。

(女将・suwa)