復職をしました。仕事と治療を無理せず両立したいです。

仕事と治療の両立には周囲とのコミュニケーションがカギ。

 復職直後、「これまで職場に迷惑をかけたから」「休んだ分、遅れを取り戻さなくては」と、ついつい頑張りすぎてしまうことはないでしょうか。あなた自身の気持ちと体力を考え、まずは3週間、そして3ヶ月…と様子を見ながら、無理のない働き方ができるよう、周囲とのコミュニケーションをはかっていきましょう。

制度を活用して無理のない働き方を

 復職して間もないころは、フルタイム勤務に戻る前に時短制度を利用したり、通勤ラッシュによる負担を軽減するために、フレックス勤務や在宅勤務制度などの利用を希望する方もいるでしょう。マイカー通勤を希望する方もいるかもしれません。また、術後の後遺症などに対処するため、休憩室や医務室を利用したり、休憩時間を複数回とりたい場合もあるでしょう。このような制度を利用することができるかどうか、事前に上司や人事担当者、産業医などとしっかりコミュニケーションをとり、配慮を引き出すことも大切です。

 復職後も通院治療が継続する場合には、体力的な負担も予想されるので、制度をより上手に活用していくことが大切です。2.「入院中や外来治療中に利用できる制度はあるのでしょうか?」でも触れたように、(1)年次有給休暇、(2)時短制度、(3)フレックス、(4)永年勤続のリフレッシュ休暇、(5)積立休暇など、利用できる選択肢はありませんか。

 使える制度がないときは、人事担当者と話をし、できる限りの配慮をしてもらえないか相談してみましょう。

 また、担当医から告げられた予約日と業務の都合が合わず、通院を優先せざるを得なかった…ということはありませんか。もちろん通院は大事ですが、場合によっては勤務時間や休憩時間を考慮して、朝一番、あるいは夕方など、業務に最も支障の少ない外来受付時間帯を選ぶなど、自分にもできる工夫があるかもしれません。

「何を、なぜ伝えるか」を考える

 仕事に戻ると人と接する機会が増えます。あなたが休んだ理由を知っている人はいますが、同僚の中には知らない人もいます。働くことに配慮されることによって、「なぜあの人だけ?」と妙な詮索を受けることがあるかもしれません。「直属の上司まで」「チームのメンバーまで」など、休んだ理由などをどこまで話すべきか公表範囲に関するあなたの意向を、あらかじめ会社側へ伝えておきましょう。

 診断直後にも考えたことですが(4.「上司や同僚にどう伝えたらよいか迷います。」参照)、「伝えることに関して、なにが不安なのか?」をもう1度整理してみましょう。その後、あなたが最終的に望む周囲とのあり方を共有し、本当に伝えるべき人物はだれかということを考えてください。上司、同僚や部下、人事部、産業保健スタッフ……「配慮をしてもらいたい人」に、「どんな配慮をしてもらいたいのか」を明確にすることが大切です。

 あなたの意図したことが上手く伝わらず、動揺してしまうこともあるかもしれません。いろいろ不安に思うことがあると思いますが、迎え入れる上司や同僚も「どう接すればよいのか」と悩んでいることも忘れないでください。そして配慮をしてもらえた時には、「ありがとうございます」と感謝の気持ちと態度もしっかり示しましょう。

 取引先や顧客には、一般的に伝える必要はありません。ただ、信頼できる方なら、あなたが気持ちを伝えることで、味方になってくれる可能性があります。仕事をする上で「味方がいる」ということは、何よりも心強いことです。

 「なぜ、この人に伝えたいのか」「何を伝えるべきか」を考えると、あなた自身との関係性が見えてくるはずです。

定期健康診断とは

 企業が年に1度実施する健康診断の目的は、「企業の安全配慮義務」に基づいています。そして、その観点から、受けるべき検査項目が定められています。したがって、その検査項目を受診することは、労働者の義務となります。「手術後の体を、会社が契約する病院で見られたくない」等の理由がある場合は、検査項目について確認の上、あなた自身で近くの病院の健康診断や人間ドックを受診し、検査結果を提出することで、代用することもできます。

通院治療に便利なアイテム

 通院や診察室では下記のものがあると便利です。

  • 医師への質問事項や、自分の思いなどを記録するメモ帳
  • ペンや鉛筆、蛍光ペン
  • 待合室で読むための本、新聞、雑誌、または仕事道具
  • 現金、クレジットカードなど、支払いに必要なもの
  • 保険証
  • カレンダーまたは手帳
    診察室では携帯電話などが利用できないときがありますので、書き込みができる手帳や紙ベースのカレンダーを持っておくと便利です。
  • 付箋
    ちょっとしたことを書きとめて、書類などに貼っておくことができます。

 書類を持ち歩きたくない場合は、電子ファイルにしてノート型パソコンやスマートフォンで管理してみましょう。必要な情報があらかじめ整理できていれば、仕事と治療の切り替えがとてもスムーズに運びます。

 また、治療を受けると領収書や説明書など、たくさんの書類がたまっていきます。これらの書類は捨てずに保管しましょう。お菓子の空き箱でも、100円ショップで売っているA4サイズの書類箱でも構いません。確定申告(※)にも必要になりますし、あなたが歩んだ時間を振り返るときにも役に立ちます。

確定申告については冊子(「ここが知りたい!お金のはなし」)で詳しく解説しています。

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