治療を受ける際に、担当医に確認しておくことは何ですか?

今後の見通しを確認しましょう。

 治療をしながら働くためには、がん治療の情報と職場の情報(仕事内容・就業時間・休暇日数など)の両方が必要となります。がん治療の情報を整理するためには、担当医とのコミュニケーションが大切です。

担当医から伝えてもらうこと

 ある調査結果(※)では、病名や治療内容を「説明できる」と答えた方が9割以上いたのに対して、治療で使用した・使用しているお薬の名前や、治療による後遺症を「説明できる」と答えた方は5割以下でした。

 今後の見通しを知るためには、治療のスケジュールだけではなく、治療内容や、治療による副作用や後遺症なども理解しておくことが非常に重要です。副作用や後遺症などは、理解するだけではなく、(1)その症状がいつからいつまで発生し、(2)具体的にどのように対処し、(3)どのように注意するのかを担当医に尋ねてみてください。一歩踏み込んで伝えてもらうことにより、今後の見通しや働き方が更にイメージしやすくなるでしょう。

「がん罹患と就労調査」キャンサー・ソリューションズ株式会社(2016)

担当医に確認しておくこと

治療について

  • 治療のスケジュール(1回の治療にかかるトータルの時間)、頻度など
  • 副作用とその期間、注意点
  • 他科受診の必要性とその頻度

大事なこと
職場で配慮してもらう必要があるか無いか、ある場合には、その具体的な内容も確認しておきましょう。

休職した人は、復職のタイミングについて

  • 勤務を開始してもよい時期、その際に注意するべき点
  • 徐々に業務量を増やしていくとすれば、その基準となる時期

担当医へ伝えること

 担当医に、あなた自身が治療に対してどのような意思や意向があるか、働くことに対してどのような希望を持っているかを伝えることも大切です。また、パソコンを使用する仕事が多い、人前に出ることが多いなど、できるだけ具体的に働き方を伝えます。担当医は、必ずしもあなたの「働くこと」に対する思いや業務内容に詳しいわけではありません。業務内容や職場の状況に関する適切な情報提供があれば、担当医もイメージがわき、支援しやすくなるでしょう。社内での自分の環境に何か変化があれば(仕事内容の変更、上司の異動など)、それも伝えましょう。

担当医と確認しておくこと

職場の状況の説明

  • 治療方針や時期について、あなたがどうしたいか
  • 仕事の内容(立ち仕事、接客業、男性が多い、など具体的に)

診断書に記入してもらう内容

 職場への提出書類に関しては、職場にあなた自身の状況を納得してもらえるよう、次のような内容を加えてもらうとよいでしょう。

休みが必要な場合
  • 入院治療期間(どのくらいの間、休みが必要か)
  • 外来化学療法期間、副作用によるリスクが高い期間
就労が可能かどうか
  • いつから可能か、どのような働き方が望ましいか(短時間から開始、残業は○ヵ月は控えることが望ましいなど)
  • やってはいけないこと、配慮を要すること

 診断書の記載については、厚生労働省「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」(※)に様式例が載っていますので、それを参考として主治医に持参することもひとつの方法です。

 記載にあたっては、「○○すべき」「○○を要す」という断定的な記載は出来る限り避け、「○○が望ましい」という言い方がよいでしょう。

厚生労働省「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000113365.html別ウィンドウで開きます