「がん」と診断されました。まずは何をすればよいのでしょうか?
まずは情報を整理してみましょう。
がんと診断された直後は「頭が真っ白になった」「ショックで何も手につかない」と、誰でも混乱します。「これからどうなるの」と不安になったり、「何が悪かったのだろう」と自分を責めてしまったり、さまざまな感情が沸き上がってくるのは自然なこと。
「治療をしながら仕事は続けられるのか」と心配している方も多いことでしょう。大切なことは、まずは落ち着くこと。そして、気持ちが少し落ち着いてきたら、治療と仕事に関する情報を整理することから始めてみましょう。心が混乱しているときに重要な決断をすることは避けた方が得策です。
治療に関すること
まずは、病状や治療について整理してみましょう。がんの部位やステージ、治療方法は理解できていますか。治療期間は、どのくらいでしょうか。考えられる副作用や後遺症の説明は受けていますか。わからなかったことはありませんか。それらは、今後の復職までのスケジュールを考える上でも必要な情報になります。
あなた自身の身体のことを、きちんと把握しておくことが大切です。
「働くこと」への希望や思いは?
診断直後は、がんの治療や生活に関する情報も乏しい中、さまざまな選択を迫られることが多く、不安や焦りから気持ちが揺れ動いたり迷ったりすることもあります。診断~治療を経て、仕事への価値観が変化することもあります。仕事を続けられないのではないかと即断即決することは禁物。あなた自身の「働くこと」への希望や思いを整理してみてください。
再発治療を受けながら働く場合も同様です。あなたの人生において、仕事はどのような位置づけにあるでしょうか。経済的に必要だから? 生きがいだから? 再発したからといって、すぐに仕事ができなくなるわけではありません。今すぐ決断する必要もありません。あなた自身の気持ちに問いかけてみましょう(7. 「再発しても、働き続けたいと思っています。」参照)。
社内制度に関すること
職種、職位、現在の仕事の状況等から、治療のために社内で利用できる制度を確認します。職場の雰囲気、上司との関係、人事部の担当者の対応など、周囲の人間関係、社内に理解者がいるかも含め、整理してみましょう。
社会環境に関すること
生活に必要な年収はどの程度なのかを計算してみましょう。その上で、家族の理解や意見、友人や親類などの支えの有無、社会保障制度、患者会や支援団体の活用の有無など、どれくらいのサポートがあるのかを整理してみましょう。
情報収集をしながら、医師に確認すること、依頼すること、あるいは職場の上司に依頼すること、人事に確認することなど、「こころ」「からだ」「社会」の3つに分けて必要なことがらを書き出してみると必要な作業が見えてくることでしょう。
整理すべき5つのポイント
「働く」ことに関して担当医や会社に確認をすること、あなた自身が考えるべきこともまとめてみましょう。
担当医に確認すべきポイント5
- 1治療中も働くことはできますか?
- 2今までどおり働いてもいいのでしょうか?
- 3何か制限はありますか?
- 4治療に伴う副作用は、どのように対処すればいいのでしょうか?
- 5他の治療方法はありますか?
あなた自身が考えるべきポイント5
- 1今後の治療はあなたの仕事のスケジュールに影響を与えますか?
- 2働き方をフレキシブルに変更できますか? 周囲にそのような働き方をしている人はいますか?
- 3仕事を続けるために、(内容・量・やり方・ペース配分など)今の仕事を見直すべきですか?
- 4あなたの働く権利・休む権利を知っていますか?
- 5あなたにとって仕事は経済的・精神的にどのくらい大切ですか?
追加で考えること
治療中も働き続けたいですか?
働き方の一時的な変更はできますか?
仕事を辞めたら経済的にどうなりますか?
仕事を辞めたら社会保障制度はどのくらい変わりますか
会社に確認すべきポイント5
- 1会社に私傷病休暇制度はありますか?
- 2時短制度などは使えますか? フレックス勤務は可能ですか?
- 3パートタイムなど働き方の変更はできますか?
- 4在宅勤務はできますか?
- 5休憩室や医務室は利用できますか?
記載されている内容およびサイトの情報は2023年10月現在のものです。