<内定後の心がまえ>内定、再就職が決まりました。心構えなどはありますか?

周囲とのコミュニケーションを大切に。

 再就職が決まり、新たな環境で新たな一歩を踏み出すことになりました。あなたにとって働きやすい職場になるよう、周囲とのコミュニケーションを大切にしながら、あなた自身の居場所をつくっていきましょう。

出社に向けて、生活環境を整える

 療養中は、生活習慣が乱れがちです。「働くことが久しぶり」のあなたにとっては、体力面などにも不安があるでしょう。まずは「生活日記」をつけながら、出社に向けて生活環境を整えることから始めたり、「模擬出勤」をしてみましょう。例えば、職場に出勤することを想定して、間に合う時間に起床し、実際に利用する通勤手段で出勤してみる。電車のラッシュや交通渋滞などを実際に体験することで、どのくらい余裕を持って家を出るべきかが分かります。また、初出社への自信にもつながります。出勤している時間帯に、いつも通りの生活ができていたか、体と心の疲れ度合いや、その疲れが翌日に持ち越していないかなども、あわせて確認をしておきましょう。勤務が始まったら、早め、早めに行動することを心がけましょう。朝のラッシュ時間は混雑による公共交通機関の遅延はよく起こります。少なくとも慣れてくるまでは、ゆとりをもって行動しましょう。

生活日記帳の一例

誰にどこまで伝える?

 「早く職場に慣れなくては」「周りに迷惑をかけないようにしないと…」と焦る気持ちがあるかもしれませんが、あなたにとって働きやすく居心地のよい職場をつくるためには、明るい声できちんと挨拶する、笑顔で返事をする、ありがとうと感謝の気持ちを伝えるなど、日頃から小さなコミュニケーションの積み重ねが大切です。

 がんのことを職場に伝えるかどうか、多くの人が悩んでいます。定期的に通院する予定があり休暇の取得が必要な場合、重たいものが持てない、長時間の立ち仕事は難しいなど、仕事をするうえで何か配慮が必要な場合や、制限事項がある場合には、「配慮してもらいたい人」に「どんな配慮をしてほしいのか」をきちんと説明することが大切です。

 調査(※)では、職場に病名を報告したことで得られたメリットとして、「通院がしやすくなった」「休暇を取得しやすくなった」「病名を隠す精神的な負担が軽くなった」という結果が出ています。

 逆に、報告しなかった理由として「特に仕事に影響がないから」という声があった他、「言っても何も変わらないから」「職場に病名が知られるのが嫌だから」など、ネガティブな意見もありました。

 配慮が「特別扱いをしている」と周囲に誤解を与えることがないよう、「なぜ伝えるのか」「どの範囲まで伝えるのか」をあなた自身が考えておきましょう。

「がん罹患と就労調査」 キャンサー・ソリューションズ株式会社(2016)

会社の健康診断はどうして受けるの?

 内定にたどりつくと、「健康診断書」の提出を求められたり、所定の病院で健康診断を受けるよう指示されたりする場合があります。企業には「安全配慮義務」があり、社員の当初の健康状態をあらかじめ把握する責任があるからです。入社後は、一般的に毎年1回の健康診断があります。健康診断は、受けるべき検査項目が定められていますので、それらを確認のうえ、あなた自身で近くの病院で健康診断を受け、その検査結果を提出することもできる場合があります。会社で一斉に実施される健康診断を受けたくない場合は、「近所の病院で受けてもよいですか?」など、担当者に相談してみましょう。

コミュニケーションの基本を忘れずに

 社会人のビジネスマナーの基本を表す言葉に、「ホウレンソウ(報・連・相)」があります。ホウは「報告」、レンは「連絡」、ソウは「相談」をそれぞれ指しています。ホウレンソウは、仕事を円滑に進めるための基本ですが、治療を進めるうえでもこれに通じる部分があります。医師に身体の情報を報告する・配慮事項や治療のプロセスを確認する・困りごとは医師や家族と相談し、多くの人の力を借りながら解決していく…。このような、がんの経験から培った「患者力」を、仕事をするうえでの「力」にも役立ててください。

「ホウ」報告「ホウ」報告
報告をするときは、「いま、お時間よろしいでしょうか」と声をかけ、相手の都合を確認したうえで話しましょう。他人を介さず、あなたから直接報告するのが基本です。
「レン」連絡「レン」連絡
連絡事項は、曖昧な言葉を使わず、事実を正確に伝えるようにしましょう。内容によっては、連絡する内容を整理し、伝える順番(優先順位)を意識することも大切です。
「ソウ」相談「ソウ」相談
わからないことや疑問や出てきたら、遠慮せず、早めに上司や先輩、同僚などに確認・相談しましょう。わかったつもりで「はい」と返事をしてしまうのは要注意です。

感謝の気持ちを忘れずに

 職場内で配慮や理解を得るためには、配慮を受けることによる会社や上司など相手側のメリット(あなたができること)も一緒に伝えるとよいでしょう。例えば「3ヶ月に1度、通院して治療を受ける必要があり、定期的にお休みをいただきます」というあなたからの希望に加えて、「通院日以外の日は通常通り働けます。仕事は引き続き頑張りますので、よろしくお願いします」と、相手にとってのメリットを具体的に伝えてみましょう。「手術で腕がむくみやすくなっているため、重い荷物を持つことができません。ですが、○○はできますのでまかせて下さい」とできることをはっきり伝えることによって、必要なときに、周囲からの協力を得やすくなるでしょう。

 がんと共に働くには、日頃から、より積極的に周囲とコミュニケーションを取ることが大切です。そして、配慮が得られたときには「ありがとうございます」と感謝の気持ちを言葉と態度で示しましょう。あなたの経験や強みを活かし、新しい職場での信頼関係を築きながら、あなたらしい「働き方」を実現してください。

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