<情報収集と書類の準備 1>
就職活動に必要な書類にはどのようなものがありますか?

応募書類を書いてみましょう。

 久しぶりに就職活動をされる場合、「応募書類を書いたこともない」という方も多いかもしれません。就職活動をスタートするうえでどのような書類を準備すべきか、確認していきましょう。

応募書類3点セット

 求人に応募する際、必要になるのが応募書類です。一般的に、(1)履歴書(2)職務経歴書(3)添え状の3点セットを提出することになります。

 求人先は、この応募書類を見て「会ってみたい人」を選びます。応募書類は次の面接の機会を得るための重要なものとなります。

履歴書の写真

 履歴書に添付する写真は、書類の中身に劣らずインパクトを与える非常に重要なツールです。安易にスピード写真を使うことは避けましょう。おすすめは、写真館での撮影です。髪型や服装、姿勢など、細かくチェックし、背景や質感にも気を配って撮影してもらえるだけでなく、ベストショットを複数枚の中から選ぶこともできます。抗がん剤などの治療により、ウィッグ使用中の場合はそのままで大丈夫。過去撮影した写真などで代用することは避け、現在の「あなた」をきちんと見せましょう。

応募書類を書く前に

 自分の働く目的や意義、自分が大切にしている仕事に関する価値観などを整理し、自分自身のアピールポイントを探るために「ジョブカード」を利用するのも1つの方法です。ジョブカードとは、生涯を通じたキャリアプランニングと、これまでの仕事を通じて培ってきた能力や経験を書き出すことで、職業能力を「見える化」するためのツールです。また、整理した内容を実際の応募書類で活用することもできます。ツールは、厚生労働省「ジョブカード総合サイト」からダウンロードできます。
https://jobcard.mhlw.go.jp/katuyo/careerplan.html別ウィンドウで開きます :2020年7月閲覧)

履歴書の書き方とキャリアブランク

 履歴書は、あなたのこれまでの仕事履歴、キャリアや資格の有無、働く意欲などを応募先の人たちに知ってもらうための書類です。

 履歴書は求人先からの指定がなければ、市販のものを利用します。既往歴をどのように書いたらよいか悩む場合、既往歴欄がない用紙を使うことも1つの方法です。自分が書きやすい、アピールしやすい書式を選びましょう。以前は「手書き」が推奨されていましたが、最近は採用側も「手書き」か「パソコン」かにこだわることは少なくなってきました。求人先の企業風土を踏まえ、自分自身をアピールできるのはどちらなのかを考えて作成しましょう。

 また、治療などで仕事や学業から離れていたことで、履歴が連続しない場合があります。これを「キャリアブランク」と呼びます。1年以上の長期にわたるブランクは、面接時に理由を問われることになることが多いので、適切な回答を用意しておきましょう。病気が理由の退職でも、「一身上の都合により退職」といった記載で特に問題はありません。

 面接時における対応については4.「面接で退職理由やキャリアブランクを尋ねられたら」で詳しく紹介しています。

職務経歴書の書き方

 職務経歴書は、これまでどんな場所(企業)で、どんな仕事に取り組み、どんな成果を出してきたかをまとめた書類です。履歴書があなたという人物を大きくつかむための書類ならば、職務経歴書はあなたの経験や実績を具体的に、詳細にまとめた書類です。担当者は、あなたが会社にとって、どんな貢献をしてくれるのか、ふさわしい人物なのか、といった視点から書類に目を通します。

 形式は、下記の表のような形が多く、パソコンで作成するのが一般的です。読み手を考え、A4サイズ2枚程度に「見やすく・コンパクト」にまとめましょう。詳細な書き方については、インターネットの就職サイトや本などを参考にしてみましょう。

職務経歴書の形式

形式 特徴 適している人
(1)年代式 はじめての仕事から現在まで、年代を追って順に会社ごとに仕事の内容や立場を記載する方式。 職歴が短い、転職歴が少ないなど、経験した会社が少ない場合。
(2)逆年代式 「年代式」とは逆で、現在から過去の仕事にさかのぼって記載する方法。 経験した会社が少ない人、最近の職務経験や能力を強調したい人に適している。
(3)キャリア式 時系列にこだわることなく、自分が携わってきた仕事の内容(職務内容)ごとに記載する方法。 派遣社員、転職歴が多い人、専門性の高い職歴を持った人などに適している。

職務経歴書チェックポイント(例)

  • パッと見た印象で、レイアウトがきれいで読みやすいですか?
  • A4用紙2枚程度にまとめられていますか?
  • パソコンで作った場合、フォントが混在していませんか?
  • 形式((1)年代式 (2)逆年代式 (3)キャリア式)は、自分の経歴や強みを的確に伝えるものですか?
  • 誤字・脱字はありませんか?
  • 自己PRは、具体的で相手に伝わる内容になっていますか?

自己PRの書き方例

結論
「私の強みは○○です」「これまで私は〇〇を大事にして働いてきました。
根拠
これまでのエピソードなど具体例を
結論
会社への貢献や決意表明など

「相手が確認したいことを伝える」がポイント

 担当者が知りたいのは、「あなたが会社に貢献できる人かどうか」です。相手が知りたい内容を的確に伝えることがポイントです。

 自己PRの欄では、自分の能力やスキルの中で、アピールできることに焦点を合わせて、具体的なエピソードを交えて書いていきます。その際も、不必要に長くならないよう、結論を簡潔に述べたうえで、その理由を具体例で補う形式がおすすめです。また、その上で、なぜその会社を選んだのかが明解に伝えられるようにしましょう。