働き方に関するお悩みQ&A
社内制度の利用(通勤に不安があるとき/体力・体調不良への不安など)
働く際の工夫(倦怠感、痛み、排便、排尿への不安への対処/体調維持の工夫など)
実際に仕事を始めてみると、想像以上に体がつらかったり、体力が落ちていることに気付くこともあります。仕事と治療を両立するために社内制度を確認し、利用しましょう。制度を利用しても仕事の継続が厳しいときには、体調の回復を第一と考えて再び休むことも選択肢になるかもしれません。
- Q.混んでいる時間の電車やバスでの通勤に不安があります。どうすればよいですか?
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A.「手術から間もないので電車やバスの通勤ラッシュを避けて出勤したい」「朝一番に放射線治療に行きたい」などの場合には、フレックスタイム制度や短時間勤務制度が利用できないか、会社に確認してみましょう。
しびれ・痛み・倦怠感、排便障害・排尿障害など、副作用や後遺症があって通勤が困難な場合は、在宅ワークを選択できると働き方の幅が広がります。在宅でも作業可能な仕事にしてもらえるかどうかなど、職場の上司や人事担当者に相談してみましょう。
制度を利用するには、職場の理解が必要です。「体力が回復するまで、まずは3ヵ月ほど」と言う具合に、配慮が必要な期間も含めて会社側へ伝えるようにすると、理解を得やすいかもしれません。
- Q.通勤途中で突然トイレに行きたくなってしまいそうで不安です。
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A.体の倦怠感、痛み、排便や排尿への不安など、漠然と不安を抱えたままにせず、実践可能な対処方法を考えてみましょう。
「通勤中にトイレの途中下車が必要かも…」「勤務中に気分が悪くなるかも…」と心配な場合は、いつもより早めに家を出て、余裕を持って対処できるようにしておくと安心です。
また、電車の空いている時間帯や車両、乗降場所などを調べておくのもよいかもしれません。他にも、ホットフラッシュで汗が気になるなら着替えを用意したり、通勤する際に立っていることがつらい場合は優先席も遠慮せずに利用しましょう(トイレの対処は3.「自作トイレマップとお役立ち市販グッズ」も参照)。
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利用可能な社内制度とは?
- 入院治療年次有給休暇※1 私傷病休暇制度 休職制度 積立休暇など
- 通院治療年次有給休暇※1 積立休暇 短時間勤務制度 時間単位、半日単位の有給休暇など
- 働き方の一時変更短時間勤務制度 フレックスタイム制度 在宅勤務制度 マイカー通勤など
入院治療や通院治療のスケジュールと体調に合わせて、社内制度の活用を人事労務担当者に確認・相談してみるとよいでしょう。厚労省が普及を進めている両立支援の仕組み※2を活用して、今後の治療計画や配慮事項を記載した「主治医意見書」を提出して、会社側に対応を検討してもらうのも1つの方法です。
1 年次有給休暇以外は、会社によって利用できる制度が異なります。
2 厚生労働省 「治療と仕事の両立支援ナビ」
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/forsubject/ - Q.働きすぎるとまた病気になるのではないかと心配です。
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A.長い職業人生(仕事のキャリア)で考えたときは、「継続的に働くこと」と「安定的に仕事をこなすこと」が重要です。復帰後、体調が落ち着くまでには、少し時間がかかることもあります。体調が思わしくないときは無理をせず、「きちんと休む」ことも大切な「仕事」。1日無理をすることで1週間寝込むようなら、今日1日をしっかり休むことを心がけ、自己管理の重要性を忘れないようにしましょう。
もし、復帰直後の体力に不安があったり、薬の副作用で長時間働くことが困難な場合などは、短時間勤務(一時的な勤務時間の変更など)を考えることも大切です。ただし、給与体系や身分などが変化することもあるので、不明な点は人事労務担当者から、利用できるかどうかも含めて説明を受けましょう(利用可能な社内制度とは?も参照)。
体調を維持して働くためにできる工夫
- 副作用や気になる症状は早めに医療スタッフなどに相談する(QOLを保つためにも役立ちます)
- 着るものなどで気温・気候・気圧の変化に対応する
- 余裕を持ったスケジュールを立てる
- 無理をしない、断る勇気をもつ
私の体験談
30代/男性 会社員(営業職)直腸がん
自作トイレマップとお役立ち市販グッズ
仕事は営業職で外回りが多かったため、「便が我慢できない」という状態は冷や汗ものでした。当時、実際に使用したグッズをご紹介します。
- 幼児用おむつパッド
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息子の幼児用トレーニングおむつパッドを利用しました。横漏れ防止機能もしっかりしていて、安心感がありました。
- 携帯用ウォシュレット
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手術後は頻便と軟便対策で、携帯用ウォシュレットに大変お世話になりました。かさばらず、単三電池1本で動くすぐれものです。
- トイレマップ
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行動範囲内の主要トイレの場所は頭に入れておきました。とくにウォシュレット付きかどうか、(男性の場合)比較的個室が空いている穴場情報は重要です。その他、いざというときのために通勤時の各駅のトイレの場所も覚えておくと便利だと思い、トイレマップを作りました。温水洗浄式トイレ情報が掲載されているサイトなども役に立ちました。
記載されている内容およびサイトの情報は2023年10月現在のものです。