外見の変化に関するお悩みQ&A
職場でのウィッグ対策(ウィッグの選び方/ウィッグの蒸れ対策/ウィッグを外す時期など)

 化学療法の副作用は頭髪や眉の脱毛、肌のくすみ、爪の変形や変色など、外見の変化が大きいので、実際に経験するとつらいものです。職場や周囲の状況に合った「自分らしいスタイル」を探しながら乗り切っていきましょう。
 また、つらい時は一人で悩まず、がん相談支援センターなどに相談してみるのも良いでしょう。

Q.「職場」でのウィッグ、気付かれたくないです。

A.初めてウィッグをつけて出社する時は、周りの人にウィッグだと気付かれないか、ドキドキするものです。でも安心してください、意外に気づかれない。気付いていても「髪形を変えたのかな?」などと思っているかもしれません。もしも質問されたら、「頭皮アレルギーがあってウィッグを使っている」などの返答を用意しておくと、自然に受け流すこともできます。つけ心地やメンテナンスも考慮して、自分に合うウィッグを選びましょう。

 ウィッグを選ぶ時に気を付けることは、職場の雰囲気を考慮し、周囲に受け入れてもらえる髪型や色を選ぶことです。頭頂部や額、もみあげ、うなじなどの生え際は、不自然さが気になる部分なので、試着をして確認しておきましょう。

Q.不快なウィッグの蒸れ、何とかしたいです。

A.特に夏場はウィッグの蒸れが気になります。プライバシーが保たれる場所(休憩室やトイレ)をあらかじめ見つけておき、時々ウィッグをはずして汗を拭くと良いでしょう。また、手鏡を持っていると、ウィッグを外した後やズレなど、不自然さが気になる時に確認できて便利です。

 帰宅した後は、ウィッグを乾かすようにしましょう。臭いが気になる場合は、ウィッグ専用の消臭ミスト等もあります。洗髪の目安は、1週間~10日に1度程度。人毛100%よりも、人工毛が入っているほうが、日々のお手入れはしやすいようです。

Q.いつウィッグを外せば良いか悩んでいます。

A.ベリーショートなどで早くからウィッグを外す人もいれば、フルウィッグと部分ウィッグを使い、しっかりと髪が生えそろってからウィッグを外す人もいます。ウィッグを外す時期については、ウィッグのカットやメンテナンスを行う美容院に相談してみるのも良いでしょう。また、最近は男性用のウィッグも多く販売されています。メンテナンスや頭皮ケアなどのアフターサービスがセットになった商品もあります。ニーズに応じて探してみましょう。

知っていますか?「ウィッグの購入補助制度」

最近は医療用ウィッグの購入費に補助金や助成金制度を設ける自治体が増えてきています。各自治体により申請方法や申請条件などが異なりますので、ウィッグ購入の際には、お住まいの自治体に問い合わせしておくと良いでしょう。

私の体験談
40代/女性 会社員(営業職から事務職へ)乳がん

副作用時の工夫メイク/スキンケア/ネイルケア

 海外駐在時に乳がんが見つかりました。帰国して術前化学療法、外科手術、放射線治療などを受け、ホルモン治療を継続。4年目で再発・骨転移がわかり、化学療法を受けながら短時間勤務。それから3年後に胸膜にも転移が見つかりましたが、現在も勤務は継続、点滴による抗がん剤治療中です。

 化学療法による副作用は、脱毛、手足症候群、下痢や便秘などを経験しています。化粧品会社に勤務しているため、副作用が現れるたびに身近にある化粧品やグッズなどを試してみています。その中からいくつかご紹介します。

目元メイクアップ

脱毛時に眉毛を描く場合、パウダータイプのアイブロウなら自然な仕上がりに、その上にペンシルタイプでラインを出すとはっきりした顔立ちになります。まつ毛はジェルタイプや濃いめのアイライナーでしっかり描き、マスカラで整えると目にインパクトが出てシャープな印象に。まつ毛美容液、長さを出すマスカラとボリュームを出すマスカラの使用も効果的です。

パウダータイプ・ペンシルタイプ
  • パウダータイプだけならナチュラルでやさしい印象。その後、ペンシルタイプで描き足すと、よりはっきりした印象に。目元はアイライナーをひくだけでも印象が変わります。
  • 市販の「眉テンプレート」の利用で、より簡単に。自分の顔に合った形を選び、ペンシルを縦方向に動かすように描くと自然に仕上がります。
  • メイクができないときは、黒や茶系の濃い色のフレームのメガネを使用してみましょう。眉の代わりになり、顔立ちをはっきり見せてくれます。

こんなときは

顔色が悪く見えるとき

肌の保湿をするだけでも、顔色は明るい印象に。全体的なくすみや部分的なシミや目の下のクマなどには、コントロールカラーなどの専用化粧品もあります。頬にチークや口紅(グロス)などを重ねれば、さらに明るい印象に。男性なら、チークなどを少し入れるだけでも良いでしょう。

スキンケア

手足の皮膚がガサガサになり、手にはささくれやしみ、黒ずみ、足には巻き爪、爪が黒くなってはがれ落ちる、かかとのひび割れ、水虫の悪化などの症状がありました。スキンケアの基本は保湿です。病院で処方された保湿クリームをキッチン、ベッド脇、バッグの中とオフィスに置きました。オフィスの引き出しには小型の化粧水も用意して、ハーブの化粧水+保湿クリームを一日数度塗るようにしていました。

ネイルケア

自分でも見える手元は気になるもの。自分自身の気分や精神状態に影響が出たりするので、美容オイル(ネイル専用もあり)を塗って爪自体を元気にし、マニキュアで好きな色やファッション・コーディネイトを楽しんで、気分が上がるようにしています。

こんなときは

爪の変色をカバーしたいとき

変色には、水溶性で通気性にすぐれた刺激臭がないマニキュアの使用をおすすめします。凹凸ができた爪の表面をカバーするならジェルネイル(除光液不要のはがせるタイプ)が役立ちます。肌色に近い色や無色透明なものを選べば、男女を問わず使用できるでしょう。

巻き爪対策

足の巻き爪は手強かったです。一番役に立ったのはサイズ調節ができる病院の売店で見つけたリハビリシューズ。つま先が靴の中で当たらず、外部からのガードにもなりました。加えて、炎症を起こしている巻き爪部分が蒸れて悪化しないように“通気性の高い絆創膏”を使用しました。病院で買うと高価なため、毎日朝晩の交換に備えてドラッグストアを巡り、お手頃なものを使っていました。

最後に一言…

 がんになっても、楽しめることや自分に出来ることは身近にあるはず。私の場合、副作用対策のための新しい知識、発見、効果があることで喜びを感じられました。「今まで使ったことのない色のリップスティック一本が、気分を変えてくれることもあるよ!」手の届く範囲でちょっとした自分の楽しみを探したり、経験したことのない事や新しい物にチャレンジできる。

 「生きているんだから!」そんな私の思いと実践が、ちょっと落ち込んでしまっている誰かの気持ちを明るくすることができたら嬉しいです。

監修:桜井なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社代表)
藤田久子(特定社会保険労務士・社会福祉士)

企画制作:キャンサー・ソリューションズ株式会社

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