収入の減少や出費をカバーする制度は、他にもありますか?

ただおQ. 収入の減少や出費をカバーする制度は、他にもありますか?

ワンダ社労士A.高額療養費・傷病手当金・医療費控除などがあります。

ただお(夫)

我が家は子どもがまだ小さいし、住宅ローンも残っています。治療費も結構かかります。これからどうなるか不安で…。他に、何か収入の減少や出費をカバーできる制度はないのでしょうか?

ワンダ
社労士

そうですよね…。抗がん剤治療など、お金がかかりますよね。また、今までのようには働けないとなると収入も心配ですよね。
 高額になってしまった治療費の負担をカバーする代表的なものとして「高額療養費」制度があります。また、高額療養費でカバーできない治療費の負担は、「医療費控除」で所得税を取り戻す、という方法があります。
 それから…。もし、仕事が厳しくなって、働けないという状況となった場合、つまり、65歳未満で既に障害年金を受けている方が障害の状態が悪くなった場合は、「額改定請求」(※)をすることで年金額を見直す請求ができます。
 あと、健康保険で「傷病手当金」という制度があります。同じ傷病を理由として障害年金を受給している場合、傷病手当金の支給額は調整が入り、減額されたり、場合によっては0円になったりします。ただし、個人事業主など国民健康保険に加入されている方にはこの制度はありません。

ただお

そうなんですか!? 聞いておいてよかったです。

ワンダ
社労士

また、住宅ローンがまだ残っている、ということですが、ローンの返済が厳しくなってきそうな場合は、早めにローンを組んだ金融機関にご相談ください。
 病気の場合、支払い方法を見直したり、少し返済を待ってもらったりすることができるかもしれません。

ただお

はい。自分だけで考えていると出口が見えないので、こうやってアドバイスがいただけるとありがたいです。

ワンダ
社労士

健康に過ごしていると気がつかないのですが、大きな病気などで生活に支障が出てきたときに利用できる「制度」は、いろいろ用意されています。治療と生活のバランスをうまく取るためにも、これらの制度をうまく活用していきましょう。

※過去に一度でも障害等級2級以上に該当したことがある場合は、65歳を過ぎても請求ができます。なお、障害(厚生)年金は、老齢(厚生)年金を受けている場合、同時に受けることはできず、どちらかの選択となります。

ワンダ社労士のわんポイントアドバイス

ワンダ社労士のわんポイントアドバイス

「ここが知りたい!」シリーズをぜひご活用ください!

 治療中の生活に役立つ「制度」について分かりやすく解説しています。「高額療養費」「確定申告」「傷病手当金」については、同じシリーズの「お金のはなし」を参考にしてくださいね。また、がん治療の副作用などによって日常生活が制限されるときには、「介護保険」の制度を利用してQOL(生活の質)を向上させることもできます。詳しくは「介護保険のはなし」をご覧ください。