ケアの工夫 ヘアケア

(2020年3月公開)

ヘアケア1:ウィッグ…抗がん剤でのがん治療は脱毛する?抗がん剤には脱毛するものと脱毛しないものがあり、脱毛の程度も様々です。使い始めて2〜3週間後から脱毛が始まることが多く、脱毛する抗がん剤の場合は脱毛が始まってから1週間程度でほとんどの髪が抜け落ちることがあります。医療用のウィッグでなくてもOK。値段も関係ありません。購入場所は、ウィッグ専門店、百貨店、理美容室、バラエティショップ、通販など。あまり使用しない予定であれば必要な時だけレンタルしてもマル。大切なのは自分に似合うと思えること。カットで似合わせも。被り心地も調整できます。汗とりには、薄いガーゼや手ぬぐいなどをウィッグの下に挟むなどの工夫をしましょう。

ヘアケア2:帽子…ウィッグだけでなく帽子も上手く利用しましょう。外出用:自分の好みやファッションにあった帽子を選びます。ウィッグの上から帽子をかぶると、ウィッグを痛めることも。つけ前髪を利用しても。室内用:部屋の中でかぶる帽子はどんなものでもOK。てぬぐいやタオルなどを頭に巻いてもマル。市販の室内帽子のデザインが病人っぽくて気になる場合は手作りがオススメです。タオルや手ぬぐいのほか子供用のTシャツなどで簡単に作ることができます。Tシャツを胸のラインで切って、切った部分を輪ゴムでとめて帽子代わりにすることも。ルールはなし。自分が心地よければOK。

スキンケア3 保護…紫外線に注意!うっかり紫外線を浴びすぎないようにすることも、肌を保護するために大切です。日差しの強い時間の外出は日除け対策を 日中(8:00~16:ヘアケア3:頭髪のケア…抜け始めるまでは、これまで通りのヘアケアで。髪が無くなったら身体を洗うのと同じです。脱毛が始まると、髪を洗う時に絡まることがあります。頭皮は指の腹で、髪の毛は指で梳くようにして洗いましょう。シャンプーは特別な製品を使用する必要はありません。完全に脱毛したらシャンプーでなくてもOK。洗顔料やボディソープなどで顔や身体の延長で洗う。育毛剤は?現在再発毛が促進されたという研究がわずかにある以外は、がん患者さんの脱毛に対する育毛剤の効果は現時点で明らかになっていません。過度な期待は持たずにゆっくり待ちましょう。

ヘアケア4:髪が生えてきたら…ヘアカラーは大丈夫?1.過去に染毛剤によるアレルギーや皮膚症状がないこと、2.頭皮に湿疹がないこと、3.染毛剤の使用に適した長さまで毛髪が伸びていること、4.地肌に薬剤がつかないようにすること、5.パッチテストを実施するよう記載されている製品についてはパッチテストを行い、その結果が陰性であること、を確認したうえで行いましょう(各製品の取扱説明書をご確認ください)。健康なときと同じようにリスクを判断しましょう。パーマはかけてもOK?毛髪が伸びた後なら、縮毛矯正も可能です。再発毛した頭髪は自然にウェーブの付いた毛が生えてくることも。ウェーブのある状態をストレートにすることでボリュームが減り、思ったような仕上がりにならないこともあります。理美容師と仕上がりをよく相談して行うようにしてください。頭皮に問題が生じたら、すぐに皮膚科を受診しましょう。主治医への連絡も忘れずに。監修:国立がん研究センター中央病院アピアランス支援室臨床心理士藤間勝子先生