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私を待っている仲間がいる～プロの支援でスムーズな職場復帰を～

私を待っている仲間がいる～プロの支援でスムーズな職場復帰を～

（2019年12月公開）

患者会にて。患者Aが近況報告を行っている。患者A：先日、主治医の先生から、仕事をしても大丈夫と言われました。来月から早速復職したいと考えています。周囲が拍手をしている中、復職、かぁ。私もこの前先生に、と考え込む主人公の佐々木レイコ（37才）。レイコは、診察室で主治医に言われたことを思い出す。主治医：だいぶ病状も落ち着いてきていますね。そろそろ復職されても問題ないと思いますよ。

休職扱いにはしてもらってるけど、手足のむくみが気になるし、お手洗いに行く回数も増えたし、前みたいに働けるか心配なんだよなぁ。明るく報告会が進むなか、レイコは一人思い悩み、自身の手をグーパーと動かしている。みんなに迷惑かけたくないし、と同僚からの言葉を思い出す。同僚A（男）：応援してます。同僚B（女）：レイコさんの分まで頑張ります。レイコ：はぁ。浮かない表情で溜め息をつく、隣に座っていたサチエ（45才）が気付く。

帰り道。サチエ：レイコさん、何か悩み事？レイコ：えっ？サチエ：さっき溜め息が聞こえちゃって。レイコ：すみません、ついつい。苦笑いするレイコ。レイコ：さっき復職の話が上がったじゃないですか。実は私もそろそろ出来るって言われたんですけど、本当に大丈夫か心配でして。サチエ：そっかー。気持ちはわかるよ。私も復職するときは、なかなか最初の一歩が踏み出せなかったもの。サチエは緊張と不安の入り混じった表情で会社に電話したことを思い出す。

レイコ：でも、踏み出せたんですよね？何かきっかけとかあったんですか？サチエ：私はまず、がん相談支援センターで相談したよ。そこでMSW（医療ソーシャルワーカーの略称）さんに話したら、産業保健総合支援センターの両立支援促進員さんを紹介してくれたの。レイコ：産業保健総合支援センター？サチエ：えぇ。治療と仕事の両立支援をしてくれるところなの。レイコさんも復職について相談してみたら？レイコ：そんなところがあるんですね。連絡してみます。その後、産業保健総合支援センターを訪れるレイコ。

産業保健総合支援センターの相談室にて。レイコと相談員がよろしくお願いしますと挨拶している。MSWさんがすぐに紹介してくれたけど、いざとなると緊張するなぁ、と、MSWから産業保健総合支援センターのリーフレットを受け取ったときのことを思い出しながら少し固くなるレイコ。相談員：早速ですが、お悩みをお聞かせいただけますか？優しい表情の相談員に、安堵するレイコ。レイコ：先日、主治医の先生から、病状が落ち着いているから復職をしてもいいと言われました。今まで勤めていた会社では休職という扱いにしてもらっているので、いつでも復帰できる状況ではあります。でも、手足のむくみやお手洗いの回数、体力面で不安があるので、以前のようにやっていけるのか不安なんです。相談員：なるほど。復職するには、企業側に佐々木さんの状況について相談しないといけませんね。レイコ：そうなんです。

レイコ：でも、必要な書類もわからないし、そもそも周囲に理解してもらえるのか悩んでいます。相談員：初めてのことですし、当たり前です。だからこそ、我々の出番なんです。落ち込んでいるレイコを励ますように、相談員が頼もしい笑顔で答える。相談員：まずはもう少し詳細に、いまの体調面について教えていただいてもいいですか？そこから、どのような働き方が佐々木さんに合っているのか考えてみましょう。レイコ：はい。話し込む2人。

レイコ：こんな感じでしょうか？背景に、時短勤務、週2日の在宅ワーク、定期検査や後遺症、副作用への理解、という文字が浮かんでいる。相談員：では、これらを踏まえて、診断書の配慮事項への記入方法についてご説明しますね。相談員の話を聞きながらメモを取るレイコ。相談員：以上です。もしご自分で説明しにくいことがあれば、我々から直接企業側と調整することもできます。必要なら、産業医さんとの面談にも同席しますよ。レイコ：そっ、そこまでしてくれるんですか？驚くレイコ。

相談員：もちろんです。両立支援のお手伝いが私たちのミッションですから。相談員の励ましを心強く思うレイコ。レイコ：ありがとうございます。相談員：あとは他に何かお困り事はございますか？話し込む2人。

オフィスにて。同僚A：佐々木さーん。レイコが鞄に資料を入れながら振り返る。同僚A：この前は企画書へのアドバイスありがとうございます。お陰様で、一発で通りましたよ～。レイコ：やったじゃない。でも、まだまだ一人立ちへの道のりは遠いねぇ。同僚A：それを言われちゃうと刺さるなぁ～。レイコのつっこみに苦笑いを浮かべる同僚Ａ。同僚B：レイコさん、今日もう上がりですよね？レイコ：うん。明日は在宅ワークの予定だから、何かあったらチャットかテレビ電話してね。同僚B：わかりました。

レイコ：それじゃあ、お先に失礼しまーす。笑顔で挨拶するレイコの声に、おつかれーという声が返ってくる。レイコは職場復帰するまでのことを思い出しながら、帰り道を歩く。復職してからあっという間に1か月が経った。スムーズに職場へ復帰できたこともあって、以前のようにやりがいを持って働けている。勇気出して相談してみてよかった、と晴れやかに微笑むレイコ。

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